校長あいさつ

新たなスタート

奈良県立五條高等学校賀名生分校 校長
中井 基雄(なかい もとお)

本校は昭和25年、当時の賀名生村が郷土産業の振興、専門的な技能を習熟させるため、農業科・家政科の昼間定時制高校として設立されました。

そして、昭和41年には、北海道余市町の大規模農家に分宿し、農業経営の実際を経験する「北海道現場実習」が開始され、この実習の実現にご尽力いただきました御勢久右衛門先生は北海道現場実習記念誌の中で「あの広大な大地と澄み切った空、そして生き生きとして荒々しい北海道の自然を生徒たちにも見せてやりたい。そして、この地で生活することによって、きびしい自然に立ち向かっている農家のあのフロンティア精神を心深く刻みつけて欲しいというのが私の願いでした」と綴られています。この精神を現教職員とともに引き継いで行きたいと思っています。

さて、ここしばらくは、奈良県南部地域の人口減少および少子化の影響から、本校の生徒数も減少傾向が続いてきましたが、平成29年度入試から家政科の募集を停止し、農業科単独の生徒募集を行い、さらに、平成30度入試からは、『農業に「夢・志」のある生徒を全国から募集します』をキャッチフレーズに全国募集したところ、県外生17名を含む26名の生徒が入学してくれ、新たなスタートを切ったところです。

また、今年度から学校で学習したことを実社会で生かすことができる「実学教育」の一環として、地元農家及び農業法人のみなさまのご協力を得て「農家実習」に取り組んでいく計画になっており、その活動の様子も含めこのホームページで本校の教育活動の状況をご覧いただくことをお願いするとともに、今後とも本校にご支援とご協力をお願いいたします。

五條市 教育長あいさつ

実学重視の学びで地域を支える人材に

五條市教育委員会 教育長
堀内 伸起(ほりうち のぶおき)

五條市立賀名生分校では『実学重視の学校』として、様々な取組を進めています。

学問でも産業でも「この方法なら間違いなし」といういわゆる王道はありません。農業においても、気候変動や病害虫の発生など様々な要因で生産物の品質や収穫量が大きく変わるため、ベテラン農家の方から「農業は、そんな簡単なものではない。」という言葉をお聞きします。

明治大正時代の農学者、横井時敬(よこいときよし)は「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」という名言を残しています。これは「様々な要因が複雑に絡み合って結果が変わる農業では、その道のプロである農業者に聞くのが一番」ということだと理解しています。

賀名生分校では、平成30年度入学者選抜から全国いずれの地域からも出願できる「全国募集」をスタートさせ、寄宿舎の整備などハード面の整備とともに地元農家で実習指導をお願いするなどソフト面の整備も進めてきました。現在、20名を超える県外出身生が在籍していますが、そうした状況にあっても農家の子弟は少なく、高校入学までに農業を経験している生徒はほとんどおりません。その一方で、農業に関心があり将来は農業をやりたいと思っている生徒は少なくなく、1年生では7割の生徒が「卒業後は農業の道に」と考えています。そうした生徒の夢を現実のものにするためにも、昨年度から地元農家の指導の下で実習させていただく方法を取り入れました。

1日の授業のすべてを農家で受ける実習は、生徒にとって大変緊張する厳しいものであったと思いますが、1年終了後のアンケートでは、全員が「やってよかった」と答えました。また「個々の農作業の目的や方法」や「農作業用具の役割や使い方」など実技に関する事項とともに、「作業時の服装」、「言葉づかい」、「実習に対する意欲や態度」など、農業に臨むときの心構えなどについても直接教わり、その一つ一つが強く印象に残ったようです。

さらに同校では地元の幼稚園児や高齢者と軽スポーツを通して世代間交流を行う「ふれあい健康祭」を昭和49年から毎年続けています。それに加えて全国募集で入学してきた生徒が、地域の祭りで神輿を担いだり地元のNPOが主催するイベントにスタッフとして参加したりして、田舎の生活を体験させていただくとともに中山間地域の活性化にも貢献させていただきました。

こうした経験は、将来、農業に従事したり農村地域で社会生活を営んだりするうえで大いに役立つことと考えています。将来の職業生活や社会生活に生きる『実学』。賀名生分校では、地域に支えられ地域を支える人材を輩出する学校としての役割を果たしていく所存ですので、実践的な学びや幅広い高校生活に関心のある生徒のチャレンジを待っています。

五條市 市長あいさつ

真に実のある経験と未来を拓く力を

五條市 市長
太田 好紀(おおた よしのり)

奈良県五條市は、紀伊半島のほぼ中心に位置し、人口約3万2千人弱の、のどかな山間地帯です。金剛山と吉野連山に抱かれ、市の中央部を吉野川の清流が横断しており、豊かな大地と美しい水に恵まれています。このため、果樹栽培がさかんで、全国有数の柿の産地です。
また、古くから交通の要衝として栄え、近畿の心臓部である大阪の中心地までは40kmの範囲にあり、都心部とほどよい距離を保った地方のまちといえます。
五條市では、こうした地域の特性や魅力を活かし、当市での定住の促進や地域の活性化のために、さまざまな施策に取り組んでいます。
そのひとつが、賀名生分校魅力化推進事業です。五條の主要産業と、その担い手となる全国の若者を結び付け、互いに大きな夢を描くために、このプロジェクトはうごきはじめました。地元の農業者の協力のもと、市内の放棄耕作地を活用して、意欲ある若者が農業経営者として独立するための支援をしようというものです。
農業、特に果樹栽培の分野では、五條市は終戦直後の自己開墾からはじまり、国営農地開発事業による開発整備などを経て、確かな実績を蓄積してきました。五條市立奈良県立五條高等学校賀名生分校は、この五條の地で、農業の分野に特化し、専門的な知識や技術を身に付けるための学校です。
農業は、私たちの食卓や、『いのち』と直結したしごとです。農業が発展すれば、私たちの食はゆたかになり、生活が華やかに彩られます。五條市は、農業というしごとに魅力を感じ、真剣に取り組んでみたいという強い意志をもったみなさんが、賀名生分校で学び、プロの農業者となって、ともに五條市の未来を切り開いてくれることを期待しています。そのために、わたしたちは、農業にかかわる各方面と連携しながら、真に実のある経験と、未来を拓く力を身に付ける場を提供します。
みなさんの可能性の種が、五條の大地で豊かに育ち、大きな実を結ぶことを願っています。

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奈良県五條市西吉野町黒渕888番地

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